長い長い旅の果て
扉を開けた先にあったのは、真っ白な空間。
そこには、ひとりの少女が立っていた。
ごきげんよう!初めまして。
こうしてあなたとお話できる日を、ずっと待っていたわ。
え?初めましてじゃない……って?
あははっ。もしかして、ももかちゃんだと思ってる?
私の名前は「樹神(こだま) さゆり」って言うの。
気づいていないかもしれないけれど、私は他の誰よりも早くあなたと出逢っているのよ?
そんなことより、どうだったかしら?
私の作った「しあわせのいと」の物語。
独りぼっちでつまらない時間を過ごしていた時に、
あなたが私のことをじっと見つめてくれたでしょ?
私、あなたとお友達になりたくて、
一生懸命あなたが気に入ってくれそうなお話を考えたの。
結構自信があるんだけど、喜んでもらえたかしら?
え?みんなが可哀そう?
そんなこと、気にする必要ないわ。
だってあの子たちは、あなたと私がこうしてお話するキッカケとして
創り出された物語の登場人物に過ぎないんだもの。
一番最初に書いてあったでしょ?
この物語は……。
ひとりの少女が紡ぐ、幸せの物語――
って。
そうなの。「しあわせのいと」は、
私があなたとお友達になるまでの、幸せの物語。
ここまで何度も驚かせちゃってごめんなさいね。
でも、あなたはきっとこんな演出が好きだろうなって思ったの。
別に、意地悪してたわけじゃないのよ?
さてと、こうしてちゃんと挨拶できたことだし。
もう一回、私と一緒に「しあわせのいと」を遊びましょうか。
これからは一緒に、幸せの物語を紡いでいきましょう♪
ハッピーエンドへ